久保さんのいちご農園でいちご狩り

 先日、旭川の隣町、東神楽は久保宣夫さんを訪ねた。久保さんは農業を営まれる傍ら、YOSAKOIソーラン祭り組織委員会上川中央支部の支部長も務められている。
 丁度、この日は東神楽町を中心に行われた第五回上川中央支部大会の準備で忙しかったが、訪れた私たちを温かく迎えてくれた。地元チームの"ひがしかぐら東神酔華の舞"チームも以前の本祭で一次予選を突破するなど旭川の代表チームだ。
 今日は、久保さんが営まれるいちご園にていちご狩りを楽しんだ。




「普段あまり馴染みのないいちご狩り。いちごは木にならないんですか?」

「なあに言ってんだ、ならないよ。ほら。」

「あっ。ほんとだ。狩りて言うんでうっかりつい。」

「だから最近の学生は。」





「よ〜し、早速、狩るべ。」








「うちは無農薬。虫が食べられないものを人間が食べられるなんておかしい話。自然に土に帰ってまた実をつけて。誰かの勝手の独り善がりはだめなの。」

「うそ〜ん。だって農薬とか土とかいっぱいついてそうで。」
「そんなことしなくていいの。うちのはそのまま食べられるんだから。」

「えっ。洗ってきれいにして食べようとして。」

「こらっ。あんたたち、何やってんの。」


「わあ、こんなに取れた。早く食べようよ。よしっ、洗って食べよう。」



「なるほど〜。」

「さあ、食べて食べて。」

「わ〜い。」


「美味しいね。ごっつあんでした。」


 いちご狩りは本来、夏には行わないそうだ。秋口に九州から北上してくるのが一般的らしい(北海道は5月・6月)。そんな中、旭川に戻ってくる帰省客をターゲットにこのいちご狩りを企画した。テーマは一期一会。そのコンセプトだからかどうかは定かではないが、いちごをの甘酸っぱい味を体に染み込ませることで、遠い本州にいても旭川を思いだせるようにという裏テーマが何度も足を運ぶ人気の秘密だ。

 久保さんのいちごは一切農薬を使用せずに作っている。農薬を使用すると虫がつかなくなるが、これは自然なことではないのだと熱っぽく話してくれた。自然に生きる者同士、誰かの都合で独り善がりは自然のバランスを崩す。ここにも久保さんのこだわりが伺える。

 また、水洗いが一般的だが、これも大間違い。いちごの表面のビタミンも洗い落としてしまい、折角の自然の味が薄れてしまうとのこと。これも無農薬ならではである。

 今では、旭川からの若い学生グループ、特にアベックや家族連れが週末を中心に久保農園を訪れる。普段、札幌に住んでいるといちごがいつの季節かなんて考えたこともなかったし、必要ないことだった。いちごがどうと言うのではなく、身の回りのことに目を向けることの大事さ、"自然"に対する体の感覚は研いでおかなければと感じた。

 よく、"こだわり"が大切だとか、この文中にも"こだわり"を使っているが、本来"あたりまえ"なことが今、あたりまえでなくなり、結果"こだわり"と呼ばれ、特異なこととして世間でも注目を集めることが多いのかなと思った。"あたりまえ"の難しさ。"自然体"、よく聞く言葉だが、久保さんにお話を伺っていると自然と口を突く。久保宣夫さん。自然から発する大地のメッセージだった。
文責 石澤 ゆか(YOSAKOIソーラン祭り学生実行委員会)



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